火山情報


火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 噴火警報(火口周辺) − 2018年5月1日14時00分発表

噴火警報・予報
2018年5月1日14時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台発表

火山名  霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)  噴火警報(火口周辺)

**(見出し)**
<霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を発表>
 えびの高原(硫黄山)周辺では、引き続き小規模な噴火の可能性がありますので、えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
<噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ>

**(本  文)**
[火山活動の状況及び予報警報事項]
 えびの高原の硫黄山では、4月19日に硫黄山の南側で噴火が発生し、火孔から200から300m程度まで大きな噴石が飛散しました。4月20日には硫黄山の西側約500m付近で新たに噴気が上がり、4月26日には一時的に火山灰が含まれる噴煙が上る程度の噴火が発生しました。その後、噴火は発生していませんが、活発な噴気活動は続いており、4月30日に実施した現地調査でも確認しています。
 火山性地震は、4月20日以降概ね少ない状態で経過しています。火山性微動は、4月25日以降観測されていません。
 地殻変動観測で、硫黄山付近及びその西側にみられていた隆起は、ほぼ収まっています。
 
 硫黄山火口では、4月19日と同程度あるいはやや大きな噴火が発生して、大きな噴石を飛散させるおそれがあります。また、硫黄山の西側約500m付近では、4月26日と同様な噴火により火山灰を噴出する可能性があります。
 以上のことから、警戒の必要な範囲は硫黄山から概ね1kmの範囲と考えられます。この範囲では、引き続き小規模な噴火に警戒してください。
 
 なお、GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸びが継続していましたが、3月6日から7日にかけて霧島山を挟む基線で急激な収縮が観測されました。その後、再び伸びに転じています。このことから、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積されている可能性があります。

[対象市町村等]
火口周辺警報:火口周辺警戒(継続)
 宮崎県えびの市 鹿児島県霧島市
活火山であることに留意(解除)
 宮崎県小林市

[防災上の警戒事項等]
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。

**(参考:噴火警戒レベルの説明)**
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮
     者の避難等が必要。   
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制
     等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規
 制等。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)

※「噴火警報」は、居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合に、予想される影響範囲を付した名称で発表されます。
※噴火警報(噴火警戒レベル4以上)及び噴火警報(居住地域)は、特別警報に位置づけられています。
※「噴火予報」は、噴火警報を解除する場合や、火山活動が静穏(平常)な状態が続くことをお知らせする場合に発表されます。
※「火山現象に関する海上警報」は、噴火の影響が海上や沿岸に及ぶ恐れがある場合に発表されます。